映画『月と雷』 映画『月と雷』公式サイト

『八日目の蝉』『紙の月』直木賞作家・角田光代の傑作が待望の映画化
置き去りにされた時間が私の中で動き出す
初音映莉子 高良健吾 藤井武美 黒田大輔 市川由衣 / 村上淳 木場勝己 草刈民代
10月7日(土)テアトル新宿ほか全国ロードショー
初日舞台挨拶レポート
著名人コメント
原作:角田光代(中公文庫)、監督:安藤尋、脚本:本調有香、音楽:大友良英、製作:間宮登良松・村田嘉邦・小笠原明男・小松賢志・高木徳昭、エグゼクティブプロデューサー:加藤和夫・村上比呂夫、プロデューサー:川﨑岳・宮崎大、撮影:鈴木一博、照明:西克之、録音:岩倉雅之、美術:林千奈、編集:蛭田智子、スタイリスト:小倉久乃、ヘアメイク:酒井夢月、スチール:土屋久美子、助監督:石井晋一、協力プロデューサー:田坂公章、本島章雄、製作:東映ビデオ、博報堂DYミュージック&ピクチャーズ、エー・チーム、日本出版販売、パラダイス・カフェ、制作プロダクション:アグン・インク、配給:スールキートス
初日舞台挨拶レポート
著名人コメント

イントロダクション

家族という幻想を問い直す、角田光代の傑作長編『月と雷』が映画化。心の奥深くで共鳴せずにはいられない、珠玉の人間ドラマが誕生した。

『対岸の彼女』『八日目の蝉』『紙の月』など、現代女性の「人生の選択」を描いた小説の数々が絶大な支持を受けている直木賞作家・角田光代。人と出会うこと、そして人を受け入れることで、人生が予想もしない方向に転がっていく様を描いた『月と雷』は、角田文学の真骨頂と評される。この名作を、『海を感じる時』の安藤尋監督が、『人のセックスを笑うな』の本調有香と『blue』以来のタッグを組み、繊細かつ力強くスクリーンに蘇らせる。主演は『終戦のエンペラー』で華々しくハリウッドデビューした初音映莉子と、『横道世之介』『きみはいい子』などで日本を代表する若手俳優の地位を確立した高良健吾。さらに『Shall weダンス?』『終の信託』の草刈民代が、自由奔放のようでいて深い孤独を漂わせる女性を演じ、新境地を見せている。

ストーリー

あてもないけど、生きていく。ふつうの人間関係を築けない大人たちがその意味を探し続ける切なく孤独な旅―。

あたしはこれから普通の家庭を築き、まっとうな生活を重ねていく。
結婚を控え、そう考えていた泰子の前に現れた、かつて半年間だけ一緒に暮らした父の愛人の息子、智。20年前、愛人・直子と智が転がり込んできたことで、泰子の家族は壊れたはずだった。根無し草のまま大人になった智は、ふたたび泰子の人生を無邪気にかき回し始める。「邪魔しないであたしの人生」、そう普通の幸せを願っているはずなのに……。
泰子は智とともに自分の母親、異父妹、そして智の母・直子を訪ねて行くことで、平板だった自分の人生が立ちどころに変わって行くのに気づき始める。

キャスト・スタッフ

  • 泰子初音映莉子

    1982年3月24日生まれ。東京都出身。16歳でCMデビュー。CMやドラマに出演後、『ノルウェイの森』(10/トラン・アン・ユン)で国内外の注目を浴び、ハリウッド映画『終戦のエンペラー』(13/ピーター・ウェーバー)のヒロイン役で海外映画にも進出。その他の主な出演映画に『ミツコ感覚』(11/山内ケンジ)、『ガッチャマン』(13/佐藤東弥)、『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』(14/佐藤信介)などがある。また最近の主な出演舞台に「死刑執行中脱獄進行中」「アルカディア」「自己紹介読本」などがある。11月には「この熱き私の激情」(マリー・ブラッサール演出)に出演。

  • 高良健吾

    1987年11月12日生まれ。熊本県出身。『ハリヨの夏』(06/中村 真夕)で映画デビュー。以降、『蛇にピアス』(08/蜷川幸雄)、『ソラニン』(10/三木孝浩)、『軽蔑』(11/廣木隆一)、『シン・ゴジラ』(16/庵野秀明)など話題作に出演。『悼む人』(15/堤幸彦)、『きみはいい子』(15/呉美保)などでは主演を務めた。『横道世之介』(13/沖田修一)では第56回ブルーリボン賞主演男優賞を受賞、日本映画界を代表する俳優となった。その他の出演作に、大河ドラマ「花燃ゆ」(15/NHK)、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(16/CX)、連続テレビ小説「べっぴんさん」(16/NHK)、『彼女の人生は間違いじゃない』(17/廣木隆一)など。WOWOW連続ドラマW「バイバイ、ブラックバード」は2018年OA予定。

  • 直子草刈民代

    1965年5月10日生まれ。東京都出身。小学2年からバレエを始め、84年牧阿佐美バレエ団の正団員となる。以降、日本を代表するバレリーナとして国内外で活躍。また、女優として『Shall we ダンス?』(96/周防正行)に主演し、数々の賞を受賞する。09年にバレリーナを引退。以降女優として活動し、主演作『終の信託』(12/周防正行)では第36回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。近年の出演作に「大河ドラマ 龍馬伝」(10/NHK)、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(16/EX)、帯ドラマ劇場「やすらぎの郷」(17/EX)などがある。

  • 佐伯亜里砂藤井武美

    1994年12月5日生まれ、東京都出身。11年、「高校生レストラン」(11/NTV)でデビュー。以降、TV、映画、PVにと活躍の幅を広げる。『桐島、部活やめるってよ』(12/吉田大八)、『悪の教典』(12/三池崇史)、『東京シャッターガール』(13/寺内康太郎)、など話題の映画に立て続けに出演。13年、「ぴんとこな」(13/TBS)、14年「紙の月」(14/NHK)などドラマでも活躍。17年、『猟奇的な彼女』や『僕の彼女はサイボーグ』などで知られるアジア映画界を代表する監督、クァク・ジェヨンの作品『風の色』(2018年正月第二弾公開予定/クァク・ジェヨン)では、全国公募オーディションで約10000人の中からヒロインに選ばれ、出演が決まった。

  • 山信太郎黒田大輔

    1977年12月9日生まれ、千葉県出身。小劇場で活動しながら、05年、『La・fuosaje 愛をつく女』(05/沖田修一・前田司郎)、『進め!』(05/沖田修一)で映画界に進出し、TV、映画、CMなど多方面に活動の場を広げる。近年の主な出演作品に、TV「天皇の料理番」(15/ TBS)、「この街の命に」(16/WOWOW)、連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(16/NHK)、「カルテット」(17/TBS)、映画『滝を見にいく』(14/沖田修一)、『シン・ゴジラ』(16/庵野秀明・樋口真嗣)、『バースデーカード』(16/吉田康弘)、『海賊とよばれた男』(16/山崎貴)などがある。『恋人たち』(15/橋口亮輔)では、第30回高崎映画祭の最優秀助演男優賞を受賞。

  • 吉村市川由衣

    1986年2月10日生まれ、東京都出身。01年、「渋谷系女子プロレス」(EX)でドラマデビュー。以後、「ダークスーツ」(14/NHK)、「木曜時代劇 まんまこと~麻之助裁定帳~」(15/NHK)、「恋仲」(15/CX)、「オンナミチ」(15/NHK BSプレミアム)などに出演。03年、『呪怨』(清水崇)で映画デビュー。以降の出演作に、『ひゃくはち~我ら補欠 夢と煩悩のかたまり~』(08/森義隆)、『罪とか罰とか』(09/ケラリーノ・サンドロヴィッチ)、『初夜と蓮根』(13/山口正紘)、『TOKYO TRIBE』(14/園子温)、『迷宮カフェ』(15/帆根川廣)など。14年公開の安藤尋監督作品『海を感じる時』では主人公・恵美子を大胆かつ繊細に演じ、17年は『愚行録』(石川慶)、『アリーキャット』(榊英雄)にも出演している。

  • 泰子の父親村上淳

    1973年7月23日生まれ、大阪府出身。92年「アルファベット2/3」(CX)でドラマデビューし、93年には『ぷるぷる 天使的休日』で映画デビューを果たした。『ナビィの恋』(99/中江裕司)、『不貞の季節』(00/廣木隆一)、『新・仁義なき戦い』(00/阪本順治)の3作品で、第22回ヨコハマ映画祭・助演男優賞を受賞。 近年の出演作に『銀と金』(17/TX)、「山田孝之のカンヌ映画祭」(17/TX)、『2つ目の窓』(14/河瀬直美)、『新宿スワン』(15/園子温)、『グラスホッパー』(15/瀧本智行)、『PとJK』(17/廣木隆一)、『AMY SAID エイミー・セッド』(17/村本大志)などがある。

  • 岡本木場勝己

    1949年12月30日生まれ、東京都出身。舞台を中心に活動、井上ひさし作品や翻訳劇、蜷川幸雄演出作品に多数出演している。ドラマや映画にも活躍の場を広げ、「3年B組金八先生」(TBS)シリーズの千田喜朗校長役はお茶の間に広く知られることとなった。近年の出演作にドラマ「天皇の料理番」(15/TBS)、「水族館ガール」(16/NHK),「小さな巨人」(17/TBS)、映画の主な作品としては『午後の遺言状』(95/新藤兼人)、『駆込み女と駆出し男』(15/原田眞人)、『モヒカン故郷に帰る』(16/沖田修一)などがある。その演技力は高く評価されており、これまでに、第10回読売演劇大賞最優秀男優賞、第57回文化庁芸術祭優秀賞、第42回紀伊国屋演劇賞個人賞などを受賞している。

  • 監督安藤尋

    1965年生まれ、東京都出身。早稲田大学在学中より映画制作の現場に参加。助監督を経て、93年に成人映画で監督デビュー。03年の魚喃キリコ原作『blue』では、主演の市川実日子が第24回モスクワ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した。主な作品は、 『pierce LOVE&HATE』(96) 『ココロとカラダ』(04)オムニバス映画『ZOO』(05) 『僕は妹に恋をする』(07)など。中沢けいの原作を映画化した『海を感じる時』(14)は、第44回ロッテルダム国際映画祭スペクトラム部門に正式出品され、主演の池松壮亮には日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞をもたらした。近年のその他の監督作品に、『花芯』(16)など。

  • 脚本家本調有香

    大阪府出身。スクリプターとして神代辰己監督や藤田敏八監督についた後、神代監督の勧めで『インモラル・淫らな関係』(95/神代辰己)を共同執筆し、脚本家デビュー。以後、脚本家として『目を閉じて抱いて』(96/磯村一路) 、 『pierce LOVE&HATE』(97/安藤尋) 『blue』(03 /安藤尋)『人のセックスを笑うな』(08/井口奈己)などを手掛けている。今回、安藤尋監督とは、『blue』以来、14年ぶり待望のコンビ復活作品となる。

  • 音楽家大友良英

    1959年生まれ、横浜出身。日本はもとより世界各地で活動し、多くのアーティストとコラボレーションを行っている。2011年の東日本大震災を機に立ち上げたプロジェクトFUKUSHIMA ! の活動で2012年には芸術選奨文部科学大臣賞芸術振興部門を受賞。また、ドラマや映画の音楽を多く手がけることでも知られる。「あまちゃん」(13/NHK)では、東京ドラマアウォード特別賞、レコード大賞作曲賞などを受賞。その他『blue』(03 /安藤尋)、『僕は妹に恋をする』(06 /安藤尋)、『色即ぜねれいしょん』(09/田口トモロヲ)、『その街のこども』(11/井上剛)、『orange -オレンジ-』(15/橋本光二郎)など。

コメント

―泰子役―初音映莉子

安藤監督は私的な空間のある現場を作ってくださったので、“俳優として仕事をした”というより、自分の中の人生の一部を泰子の人生に費やすことが出来ました。とても信頼感のある現場でした。
私が演じた泰子は、大好きな父を亡くし、東京に出るわけでもなく、清算しきれない過去を持ちながら、人の人生にかかわることに積極的でない女性です。自分が持っていたもの、現場で感じたことを一番大切にし、心のアクセルとブレーキを小さく刻みながら、この役を作り上げました。
ルーティーンのような生活、自分では平和に過ごしていたはずの日常が、智と再会して、急にその日常が変わっていくわけですけど、高良さんご本人にもそういう流れを変える力がある方だと思いました。生きている限り、共感できる要素がありふれた作品だと思います。

―智役―高良健吾

安藤監督の現場が久しぶりの映画でした。
現場の流れが、僕には特別で、それは贅沢で。手応えにしながら現場に居ました。
まず台本を読んで。
智の行動を智自身掴み切れてないからこそ、智に対してしょうがないと思えるところがいくつもあって。多くを理解しながらというよりは、その場その場で演っていた記憶です。
そして、そこには智の切なさがいつも側にあったと思います。
共演した、初音さんのこの現場に対する気合いの込め方は勉強になりました。安藤監督の芝居に対する責任の持たせ方にドキドキしました。
もっと現場に居たかったです。

―直子役―草刈民代

運命に抗わない人。台本を読んで直感的に感じた直子の印象です。直子はいわゆるダメな人です。「この役、なぜ私に?」と思いました。でも安藤監督とお話をさせていただき、「できる? やってみよう、やってみたい!」と気持ちが動き出しました。今までにお見せしたことのない私の姿が、直子として皆様の目に映れば幸いです。
「泰子」を演じる初音映莉子さんの率直な演技は、この作品を象徴しているものだと思います。そして、高良健吾さんが演じる息子「智」には、撮影初日から母と子として共鳴するものを感じました。
葛藤を抱えながらも健気に生きる泰子の姿から、いつも見落としている何かが掘り起こされるのではないでしょうか。ぜひ多くの方々にご覧いただきたいと思います。

―監督―安藤尋

以前からその作品がとても好きな角田光代さんの原作を映画化することができ、大変嬉しく思っています。
そして今回は、初音映莉子さんが、美人であることは面接で分かっていたのですが、実はかなりぶっ飛んだスンゲー女優であり、高良健吾さんがとにかくいいヤツに輪をかけたようにいいヤツで、さらに輪をかけてプロフェッショナルな俳優であることを目の当たりにし、とても貴重な体験でもありました。
初音さん演じる泰子も、高良さん演じる智も、二人とも身近にいたらちょっと面倒くさい連中です。それでも彼らがそれぞれの孤独を背負って、「始まってしまった」人生をあがきながらも生きる姿は、時に私自身が自分の中に見つけるもうひとりの自分だったりします。映画を観てくださる方々の中にも、泰子や智がふと顔を覗かせてくれたらとても嬉しく思います。

草刈さんと初めての顔合わせで、「なぜ、直子役に私を選んだのですか?」と、問われて、「僕の中で、直子は『パリ、テキサス』のハリー・ディーン・スタントンです。彼のように、風景を背負って、スクリーンの中を歩ける女優は草刈さんだけです!」と、緊張マックスで答えました。意味不明な答えに、笑顔で頷いてくれた草刈さんが素敵でした。やっぱり直子はこの人しかいないと確信しました!

―原作―角田光代

映画では、登場する人物のひとりひとりが、みんな、断然、小説よりもすてきな人だ。
それは生身の人が演じているからかもしれない。俳優さんと女優さんが、登場人物たちの不器用な時間を、ていねいに真摯に生ききってくれているからかもしれない。
書いていて大嫌いだった泰子も智も直子も、映画で見たらみんな好きだ。みんないとしい。

初音映莉子 高良健吾 藤井武美 黒田大輔 市川由衣 村上淳 木場勝己 草刈民代